(1)ランニングコストが高い物件
バブル期に建てられた高級マンションの中には、驚く様な安価で売りにだされているにも関わらずに、売れないマンションがあります。物件の管理状況や周辺環境は決して悪い訳ではありません。
なかなか買い手が現れない理由は、ランニングコストが高いためためです。
物件価格が周辺相場より安くても、管理費や修繕積立金、敷地内施設管理費・積立金などを合計し月額10万円以上となる物件は、なかなか手が出せるものではありません。物件価格は支払が可能でも家賃並みのランニングコストが継続的に必要となれば、将来的に支払えなくなるリスクがあるためです。
高いランニングコストであっても、好立地の高級物件が安価で売りに出ていれば、賃料より格安と考える人もあるかもしれませんが、売りにくいマンションといえます。
物件規模や立地にもよりますが、修繕積立金と管理費を合わせた額の平均はおよそ2~3万円程度。10万円といわずとも、ランニングコストが平均的な額より高い物件は、売れないマンション予備軍といえます。
中でも築年数が経過した物件は、将来的に修繕積立金が値上がりになるケースもあります。また交通の便の良くない築古の小規模マンションも、ランニングコストが高くなる傾向があります。
理由は、交通の便が良くないため周辺相場よりも売買金額は安くなる傾向があるものの、修繕費や管理費等のランニングコストには差はあまりないからです。また、マンションは規模が小さくなるほど、一戸当たりの管理費や修繕積立金の割合も高くなります。そのため、販売価格に対してランニングコストの比重が大きくなる傾向があるのです。
このようなランニングコストが高くなりがちな
・築古
・交通の便が悪い
・戸数が少ない
・面積が大きい
といった要素のあるマンションは、今後一層売れにくくなることが想定されます。