中古とはいえ、マンションは非常に高額な買い物です。購入後に不満な点に気づいてしまったとしても、簡単に買い替えるわけにはいきません。

今回の記事では、中古マンションの購入で多くの人が後悔するポイントや実際の失敗事例、そして中古マンション購入で後悔しないための方法について解説します。

1.中古マンション購入後の後悔ポイント5選

中古マンションを購入した際に感じる不満や後悔はそれぞれの状況や価値観による部分も大きいですが、おおよその後悔パターンは決まっています。

 

今回は、とくに後悔する人が多い5つのポイントを紹介します。

  • 行政書士11
     

    後悔ポイント①
    入居直後に修繕積立金が大幅に値上がりした 

    多くのマンションでは、外壁の塗装や屋上の防水工事といった大規模な修繕工事を、通常12〜15年周期で実施しています。その修繕費用は、各世帯が毎月一定額を修繕積立金として支払い、管理組合の口座にプールしておくのが一般的です。

    最初の修繕は建物の劣化が少ないため、修繕費は通常計画の範囲内で収まります。しかし、2回目以降は劣化の度合いが予想以上に進行してしまい、既存の積立金ではまかないきれなくなるケースも少なくありません。

    そのため、1回目の大規模修繕工事以降に中古マンションを購入すると、入居直後に修繕積立金の大幅な値上げを要求されることがよくあります。

    こうしたトラブルを防ぐためにも、長期修繕計画や過去の実施状況を、購入前にきちんと確認しておきましょう。


  • 行政書士12
     

    後悔ポイント②
    相場よりも高値で購入してしまった

    中古マンション購入の大きな魅力のひとつは、新築よりも大幅に安く購入できる、その手頃な価格にあります。しかし、その価格が実際の相場よりも高値だったと知ったら……高額な買い物だけに、しばらくは立ち直れないほどの後悔を感じるはずです。

    大半の人にとって、マンション購入は一生に一回あるかないかの大きなイベントであり、購入に関する知識が絶対的に不足しています。とくに中古マンションは、物件ごとに資産価値が異なるため、近隣物件との単純な比較は難しいものです。

    さらに、中古マンションの販売価格はあくまでも売り主の言い値でしかなく、近隣相場を正確に反映している保証はまったくありません。こういった事実を知らないと、物件本来の資産価値がわからないまま、高値で購入してしまう可能性が高くなります。

    そういった状況を回避するには、やはり徹底した相場価格の調査が必要です。築年数や立地条件など類似物件の売買事例があれば、しっかりと確認しておきましょう。

  • 行政書士13
     

    後悔ポイント③
    住宅購入後に必要な固定費を軽く考えていた

    マンション購入となると、どうしても金額の大きい購入価格ばかりを気にしがちです。しかし、マンションを維持するには、前述の修繕積立金のような「固定費」がかかります。

    実は、こうした細かい固定費を軽く考えてしまい、あとからその金額の高さに後悔する人が少なくないのです。
    上記に、代表的な購入後の固定費を挙げておきます。


    残念ながら、物件ごとに条件が異なるため、正確な概算金額を提示するのは困難です。とはいえ、やはり大まかな目安は知っておきたいという人も多いでしょう。

    本当にざっくりとした金額になりますが、毎月少なくとも6万円程度の負担が発生すると考えておけば、大きな失敗はないはずです。(固定資産税は月額ベースに換算、不動産取得税は除く)


  • 行政書士14
     

    後悔ポイント④
    近隣住民の生活音がうるさい

    マンションでは、ひとつの建物に多くの住民が住んでいるため、どうしても近隣住民とのトラブルが起こりやすいといえます。なかでも「騒音問題」に悩む人は多く、なかなか解決できず、精神的に大きなストレスを抱えている人も少なくありません。

    もちろん話し声や足音が近隣から聞こえても、ごく短時間かつ常識的なレベルであれば、それほど気にならないでしょう。しかし、昼夜問わず子どもの泣き声や生活音が響きわたる状態は、やはり大きなストレスです。

    幸い、中古マンションは、すでに人が住んでいる状態の生活環境を確認できます。内覧だけでなく、時間帯を変えて複数回訪れてみましょう。とくに、夜間や早朝といった静かな時間帯に訪問すると、気になる生活音についても大まかな雰囲気をチェックできるはずです。


  • 行政書士15
     

    後悔ポイント⑤
    耐震基準を甘く考えていた 

    地震大国日本において、マンションの耐震性は非常に重要な要素です。にもかかわらず、見た目のよさに惹かれて、旧耐震基準マンションのリノベーション物件を購入する人が少なからずいらっしゃいます。

    きれいにリノベーションされた物件が安く購入できるのは、たしかに魅力的な話です。しかし、旧耐震基準のマンションは、震度6以上の地震を想定していません。

    かといって、購入後に耐震工事をおこなえば、少なくとも500〜1,000万円はかかります。(物件によっては1億円以上かかる場合も)
    大地震が頻発する現状を考えると、やはり最初から新耐震基準の中古マンションを選ぶほうが無難です。


    なお旧耐震基準であっても、耐震診断を受けて耐震基準適合証明書が取得できれば、住宅ローン控除や各種税金の軽減措置を利用できます。
    旧耐震基準の物件を購入する場合は、必ず耐震基準適合証明書の有無を確認しましょう。

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2.中古マンション購入のいいところ

ここまで、中古マンション購入の後悔について解説してきました。しかし、中古マンションの購入には、よい点も数多くあります。
ここでは、中古マンションの代表的なメリットを3つご紹介します。

  • Point 01

    価格が安い 


    中古マンションを購入する最大の魅力は、間違いなく「価格の安さ」でしょう。よほど人気のあるヴィンテージマンションでもない限り、築年数と比例してマンション価格は下がっていくのが一般的です。

    そのため、新築と同じグレードや立地条件のマンションが格安で購入できます。もちろん、同じ予算があれば、新築よりも広くて好立地の物件が購入可能です。
    また価格が安いぶん、住宅ローンの借入総額を減らせるので、月々の返済負担を大幅に軽減できます。

    ただし、中古マンションの場合、購入後に水回りの故障や家具の買い替えなどが発生する可能性も高いです。
    さらに、大規模なリノベーションを計画している場合は、その費用も含めたトータルコストをしっかりと計画しておかなければなりません。


  • Point 02

    物件の状態を確認してから購入できる  


    新築マンションの場合、完成前の購入が一般的です。一方、中古マンションはすでに完成しているため、物件の状態を見てから購入できます。
    中古マンションの購入前にチェックすべき主なポイントは、以下のとおりです。
    ・建物の外観や内装の傷み具合
    ・水回りの劣化
    ・採光
    ・風通し
    ・見晴らし
    ・共用部の管理状況
    ・住民の生活音
    ・周辺の環境・治安状況
    内覧時には、建物の劣化具合や室内の状況が確認できます。できれば晴れた日中に訪問して、日当たりや風通しをしっかりと確認しておきましょう。
    また、エントランスや駐車場といった「共用部」についても、入念なチェックが必要です。「マンションは管理を買え」という言葉があるように、管理状況を見れば、物件の価値はある程度推測できます。
    「なんだかエントランスがうす汚れている」「自転車の停め方が乱雑」といった共用部の管理の悪さが目立つ物件は、やはり避けたほうが無難です。

  • Point 03

    リノベーションで理想の住まいが安く手に入る 

    価格の安い中古マンションを選び、その浮いた費用を使って自分の理想空間をリノベーションで創り出す。これが、中古マンションを購入する大きな魅力のひとつです。

    いくらピカピカでも、新築はすでに完成した物件なので、どこかしら不満が出てくるものです。その点、中古マンションのリノベーションなら、ライフスタイルや家族の希望に沿った完全オリジナルの空間づくりが可能です。

    ただし中古マンションによっては、構造の種類や管理規約により、工事箇所や使える素材が制限されている場合もあります。よくあるのが、床材に使用できる遮音等級の指定や、水回り設備の移動禁止です。

    また壁式構造のマンションでは、撤去できない壁があるため、イメージどおりに間取りの変更をできないことも考えられます。
    リノベーションを前提にマンションを購入するなら、リノベーションが可能かどうか、事前にきちんと確認しておきましょう。

3.中古マンションを買って後悔…実体験を紹介

中古マンション購入の後悔と一言でいっても、人それぞれ後悔したポイントは異なるものです。

2組の実例を紹介します。


  • 子どもの「学区」を見落としていた(30代女性/会社員)

    Kさん(30代女性/東京都)が中古マンション購入時に後悔したポイントは、「子どもの学区を考慮せずに物件を契約してしまったこと」です。

    親からの言葉をきっかけに探し始めた中古マンションですが、それほどこだわりはなく、条件は「息子の保育園にそのまま通えるエリア」「予算4,000万円以内」くらいしか決めていませんでした。
    しかしマンションの購入後、同じ保育園に通う友達のほとんどが隣の学区の小学校に通うことを知り、深く後悔したそうです。 

    自宅の購入となると、どうしても間取りや設備といった物件そのものに興味が向きがちです。しかし、これから長期間生活していくことを考えれば、物件以上に立地条件へこだわる必要があります。

    Kさんの場合も、事前に保育園のママ友に相談していれば、おそらく学区問題で後悔せずに済んだはずです。今後中古マンションの購入を検討している方は、友人や同僚、必要があれば専門家に、いろいろと相談することをおすすめします。

  • マンションの住人が高齢者だらけで騒音トラブルに(40代男性/会社員)

    Bさん(40代男性)は、長女が生まれたことを契機に、価格と立地を重視して東京都世田谷区の中古マンションを購入しました。しかし、実際に住んでみると、マンション内の住人は60〜70代の高齢者が多く、子育て世代は少なかったのです。
    そのため、「花壇の水やりは当番制」といった年功序列に基づいた暗黙のルールや、子どもの騒音に対する近隣からのクレームに悩まされました。

    Bさんの経験は、マンション選びにおいて、住人の属性や生活スタイルも重要なポイントであることを教えてくれます。
    物件探しが長期に渡ると、精神的に疲れてしまい、つい条件のよさそうな物件に飛びつきがちです。しかし、購入を決めるのは、現地をじっくり確認してからでも遅くありません。

    時間帯を変えて、何回も現地を訪れてみましょう。そうすれば、住んでいる人やマンションの雰囲気が、ある程度正確につかめるはずです。

4.中古マンション購入で後悔しないために

今回紹介した「中古マンション購入による後悔」を少しでも減らすため、必ずやっておくべき3つのポイントをお伝えします。

必ずやっておくべき3つのポイント

  • # 01

    時間をずらして何度か内覧にいく

    中古マンション購入の際には、一度の内覧だけでなく、時間帯を変えて何度か訪れてみましょう。

    同じマンションでも、時間帯によって、環境は大きく異なります。
    日中は比較的静かでも、夜になると帰宅した上階の住人の生活音が気になるかもしれません。子育て中の世帯が多ければ、昼夜問わず子どもの騒ぐ音が聞こえてくる可能性も高いです。

    また何度か内覧をすれば、「建物の破損や劣化」「管理状況」などについても、より正確に確認できます。
    さらに、天候による影響も忘れてはいけません。あえて天気の悪い日に訪問すると、晴れた日には見えなかった雨漏りの兆候などを発見できることもあります。

    あとから後悔することのないよう、面倒くさがらずに、可能な限り現地を訪れてみてください。きっと、単発の内覧ではわからなかった問題点を発見できるはずです。

  • # 02

    周辺環境を念入りに確認する

    マンション購入の満足度は、その立地条件に大きく影響されます。
    まずは、生活に必要な施設が近くにあるかどうかを確認しましょう。スーパーマーケット・病院・学校などが、徒歩圏内にあると非常に便利です。

    また、騒音の問題も見過ごせません。
    大通りや駅近の物件は利便性が高い反面、やはり騒音が気になります。とはいえ、大型施設が近くにあれば、たとえ郊外であっても騒音問題は発生します。
    このあたりは、実際に現地を訪れて比較してみる必要があるでしょう。

    なお、マンション周辺の治安確認も重要です。
    昼間は適度に人通りがあり安心そうに見えても、夜になるとパッタリ歩行者が途絶えてしまうエリアは、意外にたくさんあります。

    そういうエリアは街灯の数も少なく、いつ犯罪に巻き込まれるか、常に不安を感じながら生活しなければなりません。女性や子どもがいるご家庭は、夜間でも安心して外出できる地域の物件を選ぶようにしてください。

  • # 03

    住宅ローン以外にかかる費用を確認する

    前述した後悔ポイント③住宅購入後に必要な固定費を軽く考えていたでは、管理費や修繕積立金に代表される購入後の固定費を紹介しました。しかし、物件価格以外に必要な費用は、固定費以外にも数多くあります。

    たとえば、設備機器類の交換費用です。築15年以上の中古マンションを購入する場合、いつ給湯器やトイレが壊れてもおかしくありません。
    グレードにもよりますが、給湯器交換・トイレ交換どちらも、最低15〜20万円は必要です。

    また、ライフスタイルの変化で発生する出費も考慮しておかないと、最悪の場合は住宅ローンが払えなくなってしまうこともあり得ます。
    高額の教育資金・転職やリストラによる収入減など、長い人生のなかでこういった想定外の出来事は、決して珍しくありません。

    自分の収入と余裕資金を考慮し、突発的な出費をきちんと組み込んで、住宅ローンの返済計画を立てましょう。そうすれば、金銭的な面における後悔は、大きく減らせるはずです。

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